■ エコハウスとは
エコハウスとは?
エコハウスとはどんな家なのだろうか。簡単に言うと「自然界にある素材を極力多く取り入れた材料を使用し、結露対策や省エネルギー対策を図り、メンテナンスがしやすい家」となる。
詳しく説明すると、まず構造躯体が長持ちするものであること。つまり必要な耐震性能を持っており、経年劣化しないように結露対策がしっかりされていること。すなわち初期性能を維持するために、断熱、気密、換気、暖房計画がきちんとなされて結露を防止する造りがしてあること。
次に素材については製造、施工、居住段階から解体、廃棄に至るまでトータルに考えて健康・環境のことを配慮したものから家を造ること。
そして住宅を長命のものとするようにメンテナンスがしやすくかつ年月とともにアンティーク効果が得られる造り方にしてあること。
これらを前提として中古住宅流通の対象となること、すなわち中古住宅流通性能を考えた設計がなされていること。
中古住宅としての価値が高ければ、住宅は短命に終わらず長命住宅となるはずである。これらを総括してエコハウスと定義する。
住宅建築の原理原則がこのエコハウスなのである。

「エコ・ハウス」というものがどういう経緯で生まれてきたのか、
あるいはその基本的な考え方についてご紹介いたします。
環境共生住宅
地球温暖化問題や自然の生態系の衰退に対する積極的な取り組みが必要になって
きております。その動きとして政府は「環境基本法(1993年)」を基に「環境政策大綱」を策定しております。この中に、環境政策の事業のひとつとして「環境共生住宅」というものがあります。環境共生住宅の3つの柱とは以下の通りです。
・ 環境負荷の低減
・ 自然環境との親和性
・ 室内環境の健康・快適性
エコロジーの概念についての定義
エコロジーの大きな意味、さらに関連する用語については下記のようなものがあります。
・ 生態学(エコロジー)(ドイツの生物学者、E.ヘッケルにより提唱)(1866年)
 OIKOS(オイコス)(生物の生活や家を表す)+LOGOS(ロゴス)(科学)でラテン語の
造語です。生物相互の関係を示します。
・ 生態系(エコ・システム)(1935年)
 ある地域に生存する生物群と相互に作用する非生物環境はエネルギーの流れや物質
の循環の仕方から全体としてひとつのまとまり、系(システム)として見なせます。
・ 宇宙船地球号 (アメリカの経済学者、K.ボールデングにより提唱)
 地球をひとつの生態系と見なす考え方です。
エコ・ハウスのコンセプトとは?
・ 低環境負荷であること
 暖冷房、給湯、照明の省エネルギーを図ることにより、建物の寿命を延ばし、エネルギ
ーのランニングコストを抑えます。
 建物の生産から廃棄に至る過程で発生するエネルギーの総量を求める手法にライフサ
イクルアセスメント(LCA)があります。
※ライフサイクルアセスメント(LCA)建築業界は産業廃棄物のおよそ20%を排出しています。LCAとは製品やサービスに関して、生産から廃棄までの環境負荷を定量的に評価する手法です。現在、建築において最も注目されているLCA手法利用分野は地球温暖化をもたらす二酸化炭素(CO2)の建物のライフサイクル全体にわたる発生総量の計算です。
他に日本建築学会では、二酸化炭素(LCCO2)に加え、環境負荷因子としてフロン、
窒素酸化物(LCNOX)、エネルギー(LCE)、コスト(LCC)というものも挙げています。
これらの因子を計算することをインベントリー分析と呼びます。

・ 人間が住む空間として快適な空間であること空気調和による空気環境の完全制御も可能ですが、それが本当に快適な環境であるとは限りません。なぜなら、人間も自然環境の一部だからです。
身体と外部の自然とのレスポンジブ(呼応的)関係を回復し、維持するためには完全に人工的につくられた環境ではなく、自然の要素をいかに取り入れ、有害物質による汚染の少ない健康的な環境をいかにつくっていくかが重要となってきます。 
エコ・ハウスの事例について
ヨーロッパではエコ・ハウスの考え方を重視した事例が数多くあります。エコ・ハウスが盛んな理由として、ヨーロッパの人々の根底の考え方に生活空間へのこだわりが強いことが挙げられます。「内」の環境をよくしようとすれば、まずは「外」の環境を良くすることが重要であると考えられています。

a.カルシュタットのエコビレッジ(ドイツ)
 エネルギーと食料をできるだけ自給自足で賄い、生活ゴミや排泄物をコンポスト化し、これを肥料として周辺の畑を耕作しています。木造2階建の住居は太陽熱を利用するソーラーハウスです。16戸。

b.エコロニア(オランダ)
 国の環境政策をどう実現するかが試みられている環境共生型団地。平坦な低湿地帯に計画された住宅団地の一部。約2ヘクタール。101戸。

c.深沢環境共生住宅団地(東京)
 木造平屋建の都営住宅を区営住宅に建て替えました。敷地内の緑を残しながら、バリアフリーにも配慮したエコロジカルな設計がされています。屋上緑化、太陽熱利用、風力発電が試みられています。また、団地の中央には古くからの井戸を利用したビオトープがつくられ、地域のエコロジカルなまちづくりの拠点としての役割を期待されています。

次に「エコ・ハウス」というものが考えられるに至った原因について述べます。
建築における化学汚染物質
・ 建物と環境ホルモン通称の環境ホルモンは、内分泌撹乱化学物質といい、体内に入ると本来その体内で営ま
れている正常なホルモン作用に影響を与え、人の健康や生態系に影響を及ぼすと考えられる物質です。極微量でも作用します。建築関係ではパイプや壁紙等に多量に使用されているポリ塩化ビニルの添加剤(可塑剤)のフタル酸エステル(DOPやDBP)が環境ホルモンの疑いのある物質としてリストアップされています。
・ 建物とダイオキシン ダイオキシンは赤痢菌毒素やフグ毒と同等で、青酸カリの1,000倍の毒性があり、「ダイオキシン類対策特別措置法(平成12年1月15日施行)」により厳しく規制されることになりました。産業廃棄物の焼却による発生が最も多いといわれています。発生を防ぐためには塩素を含む材料の使用を抑制する必要があります。
・ ポリ塩化ビニル(PVC)ポリ塩化ビニルは低価格、加工性が良く、耐薬品性がある、電気絶縁性に優れる、可塑剤などと良くなじむ、難燃性であるといった優れた特性があります。しかし、PVCをLCAの観点からみると必ずしも良いとはいえません。PVCは熱分解すると多量の塩酸やダイオキシン類を発生します。
シックハウス
シックハウスという言葉は家の構造や素材が病気の原因となっています。アルミサッシが使われるようになり、コンクリートの躯体と相まって気密性の高い住居となりましたが、通風や換気、更には断熱に対する配慮は当時はまだ十分に考えられていませんでした。
それに伴い、ビニールクロス(壁紙)などの内装材ばかりでなく、家具や日用品まで抗菌、防虫、防カビなどの化学物質による加工がなされたものが出回りました。
家の中に抱えられた空気が動かないこと、空気が外へ出て行かないこと、外からの清浄な空気を家の中に上手に取り入れられないことに加えて、家屋そのものに使用されている素材が呼吸できない素材になっていること、さらに素材が放散する物質が人体にとって有害であることなど、時が経つにつれて問題化したといえます。
アレルギーと化学物質過敏症
家の構造、立地、工事時期等に問題がある場合、ダニ、カビの問題が発生する場合があります。
・ アレルギーの起こる仕組み
身体に侵入した異物(抗原)に対して、身体がそれに対抗する抗体(IgE)をつくり出して身体自身の恒常性を保とうと反応する現象を抗原抗体反応と呼びます。
これは抗原に対して適切な攻撃であれば「生体防御」の優れた働きです。しかし、やたらに攻撃してしまい生体防御の範囲を逸脱してしまったというのがI型アレルギーの正体です。化学物質が室内に多く氾濫、滞留するような状態になると一般の人よりもアレルギー体質を持つ人はキャパシティが少ない為、早く体調悪化を起こします。
また、化学物質過敏症の発症のきっかけには、必ず何らかの化学物質の大量被暴露の経験が前提となるということを専門家は指摘しています。大量被暴露の経験によって特定の化学物質やその化学物質と似た構造式を持つ別の化学物質に対するセンシティビティ(感受性)が非常に高くなります。
(財)日本環境財団がすすめている「エコ・ハウス」事業の内容について
エコロジカル、エコノミカルかつ健康的な住生活のあり方に叶った住宅として(財)日本環境財団が推薦する住宅で、設計された住宅が(財)日本環境財団の提供したマニュアルやプロトタイプデザインの定める仕様に従った内容を持つことを(財)日本環境財団が設計図の上で確認します。
エコ・ハウスの基準
・ 断熱性:新省エネ基準(従来の住宅金融公庫基準)
・ 気密性:次世代省エネ基準
・ 換気量:次世代省エネ基準(0.5回/h以上)
・ ホルムアルデヒド濃度:WHO及び厚生省指針(室温23℃、約0.08ppm)
・ 緑被率:(敷地面積-建築面積)x0.2+建築面積x0.5以上
・ 太陽光などの自然エネルギーの利用
・ 日当たり、通風を良くし、湿気を少なくする
・ 高齢者でも使いやすくする
・ 美的感性を備えた建物とする
・ 周辺環境に良くなじませる
・ フレキシビリティーを考慮した設計とする